都内の鉄道乗り放題「東京フリーきっぷ」で元を取りたい! 実際に朝から夜まで検証した結果…

都内の鉄道乗り放題「東京フリーきっぷ」で元を取りたい! 実際に朝から夜まで検証した結果…

東京での観光やひとり旅、急な外回りのお仕事などに便利な乗⾞券を知っていますか?

都内の移動はほとんど電車に頼りがちという方、実はもっとお得に利用することができるかも!今回は、山形から東京に旅行してわかった、お得な電車の利用方法と実際に使ってみた感想をお届けしたいと思います。

記事前半では「1日乗車券」について、記事後半では実際に「東京フリーきっぷ」を使った結果を載せています。ぜひご覧ください。

都内で使えるお得な「1日乗車券」って?

都内では、山手線をはじめとする「JR線」、丸ノ内線や銀座線などの「東京メトロ」、大江戸線や三田線などの「都営地下鉄」、その他「東武鉄道」や「東急電鉄」「小田急電鉄」などたくさんの電車が日々運行されています。世界一複雑な鉄道網と呼ばれているほど、路線図を見るといくつもの線が並走していたり交差していたり…

都内の観光で特に利用頻度が高くなる、JR線・メトロ・都営地下鉄。例えば、東京駅や新宿駅、渋谷や品川などよく聞く場所はその3つのいずれかの路線が乗り入れています。

地下鉄のホーム = 2025年11月2日 国会議事堂前駅
地下鉄のホーム = 2025年11月2日 国会議事堂前駅

各社の主な1日乗車券

名称価格有効路線
東京フリーきっぷ1,600円 (小児800円)JR
メトロ
都営地下鉄
日暮里・舎人ライナー
東京さくらトラム
都営バス
都区内パス760円 (小児380円)JR
東京メトロ24時間券700円 (小児350円)メトロ
東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券900円 (小児450円)メトロ
都営地下鉄
都営まるごときっぷ700円 (小児350円)都営地下鉄
日暮里・舎人ライナー
東京さくらトラム
都営バス
2025/10/27時点での情報です

「東京フリーきっぷ」と「都区内パス」はモバイルSuica上でも購入が可能です。その他の乗車券は券売機や定期券うりば、東京メトロ24時間券のクレジットカード・QRタイプは発売サイトから購入できます。

※通常は、券売機や定期券うりばにて磁気券(紙)かICカードでの受け取りです。

東京メトロの24時間券 = 同社ホームページより
東京メトロの24時間券 = 東京メトロホームページより

どこまで使える?範囲外に行くとどうなる?

1日乗車券はフリーエリアが指定されていて、エリア内であれば乗り放題となります。「1日乗車券」という名前の通り、その日の始発から終電までが有効期間となりますが、東京メトロのみ「24時間券」となり使用開始から24時間が有効期間となります。

乗車券によってフリーエリアが異なります。

名称有効路線エリア
東京フリーきっぷJR全線(23区内)
東京メトロ全線
都営地下鉄全線
日暮里・舎人ライナー全線
東京さくらトラム全線
都営バス全線(江東01系統を除く)
都区内パスJR全線(23区内)
東京メトロ24時間券東京メトロ全線
東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券東京メトロ全線
都営地下鉄全線
都営まるごときっぷ都営地下鉄全線
日暮里・舎人ライナー全線
東京さくらトラム全線
都営バス全線(江東01系統を除く)
2025/10/27時点での情報です
おおよそのフリーエリア(山手線・東京メトロ・都営系鉄道)
おおよそのフリーエリア(山手線・東京メトロ・都営系鉄道)

電車でフリーエリア内からエリア外へ移動した場合や、エリア外からエリア内を跨いでエリア外へ移動した場合は「乗り越し精算」が必要となります。

  • フリーエリア内からエリア外へ移動した場合 (エリア内→エリア外)
    「フリーエリア外を別途乗車した場合の運賃」を別途精算します。
  • フリーエリア外からエリア外へ移動した場合 (エリア外→エリア外)
    「フリーエリア外を別途乗車した場合の運賃」と「全区間の通算運賃」を比較し安価な方を別途精算します。

先ほども紹介した通り、「東京フリーきっぷ」と「都区内パス」はモバイルSuica上で購入が可能で、自動で紐づけされます。その場合、上記のようにエリア外を含む乗車をしても通常通り改札を通ることで自動でSuica残高から精算してくれます。

元は取るにはどのくらい乗ればいいか

旅行にかかる費用で特に大部分を占めるのが「交通費」です。どの方法だと安いのか、どの方法だと早くて楽なのかと考えるのが一般的です。一見お得に見える1日乗車券ですが、場合によっては1日乗車券を使わない方が安く済むことがあります。

「東京フリーきっぷ」を使ってみた

9月27日~28日にかけて1泊2日で東京観光に行ってきました。初日は朝6時から夜10時まで、東京駅から様々な場所へ「東京フリーきっぷ」を使って電車移動してきました。

「おトクなきっぷ」が適用されるとモバイルSuica上にきっぷ名が表示される
「おトクなきっぷ」が適用されるとモバイルSuica上にきっぷ名が表示される

モバイルSuica上で購入します。「チケット購入 Suica管理」→「おトクなきっぷ」→「東京フリーきっぷ」を選びます。注意点として、Suica残高では購入できません!カード決済のみです!

利用するその日に購入します。終電まで有効です。それでは早速行ってきます!

モバイルSuica上のきっぷの購入画面
モバイルSuica上のきっぷの購入画面

今回使った路線や運賃は次の一覧表の通りです。

フリーエリア外の新交通ゆりかもめや京浜急行電鉄も利用しています。

「東京フリーきっぷ」適用前の通常運賃↓

利用駅 (出場時刻)利用路線通常運賃(IC)
東京駅~飯田橋 (7:13)JR中央線快速
JR総武線
167円
飯田橋~秋葉原 (7:58)JR総武線146円
秋葉原~西日暮里 (8:29)JR山手線167円
西日暮里~羽田空港第1・第2ターミナル (10:05)JR京浜東北線
京急本線
京急空港線
535円
羽田空港第1・第2ターミナル~品川 (11:03)京急空港線327円
品川~浅草 (11:39)JR上野東京ライン
都営浅草線
387円
浅草~銀座 (13:43)メトロ銀座線209円
銀座一丁目~新富町 (14:01)メトロ有楽町線178円
新富町~鶯谷 (15:05)メトロ有楽町線
JR山手線
345円
鶯谷~渋谷 (17:31)JR山手線208円
渋谷~都庁前 (18:38)JR山手線
都営大江戸線
324円
都庁前~市場前 (20:31)都営大江戸線
メトロ有楽町線
ゆりかもめ
506円
市場前~新宿 (22:03)ゆりかもめ
メトロ有楽町線
都営大江戸線
506円
合計4,005円

今回、朝から夜まで乗り換えを含め23回の電車利用、通常のIC運賃で総額4,005円、総延長100kmを超える移動距離となりました。

原宿 竹下通り
原宿 竹下通り

元は取れた??

結果から言うと、1,600円の「東京フリーきっぷ」の元を取ることに成功しました!!

フリーきっぷ適用後の運賃は次の一覧表の通りです。★マークが付いている路線がフリーエリア外となります。

「東京フリーきっぷ」適用後の運賃↓

利用駅利用路線通常運賃(IC)
東京駅~飯田橋JR中央線快速
JR総武線
167円
0円
飯田橋~秋葉原JR総武線146円
0円
秋葉原~西日暮里JR山手線167円
0円
西日暮里~羽田空港第1・第2ターミナルJR京浜東北線
★京急本線
★京急空港線
535円
327円
羽田空港第1・第2ターミナル~品川★京急空港線327円
品川~浅草JR上野東京ライン
都営浅草線
387円
0円
浅草~銀座メトロ銀座線209円
0円
銀座一丁目~新富町メトロ有楽町線178円
0円
新富町~鶯谷メトロ有楽町線
JR山手線
345円
0円
鶯谷~渋谷JR山手線208円
0円
渋谷~都庁前JR山手線
都営大江戸線
324円
0円
都庁前~市場前都営大江戸線
メトロ有楽町線
★ゆりかもめ
506円
189円
市場前~新宿★ゆりかもめ
メトロ有楽町線
都営大江戸線
506円
189円
合計(フリーきっぷ料金含め)2,632円

通常のIC運賃では総額4,005円でしたが、フリーきっぷ適用後の運賃は(フリーきっぷ料金+エリア外運賃=)2,632円となりました。通常よりも1,373円安くなりました。

フリーエリア内のみ利用していた場合は、通常運賃2,973円でした。(エリア外は1,032円)

今回、フリーエリアを通れるようにあえて乗り換えをして利用した路線がいくつかあります。例えば、羽田空港から浅草は京急空港線で乗り換え不要で行けますが、京急はフリー対象路線ではないので、品川まで京急、品川から対象路線のJRと都営浅草線を利用しました。この様に、ちょっとした工夫ができるとより元を取ることが可能になります。

ゆりかもめや京急、小田急などでも各社からお得な1日乗車券が発売されていますので、今回紹介している東京フリーきっぷの対象ではない鉄道を多く利用する場合は、ぜひ各社のホームページをご確認ください。

鶯谷駅
鶯谷駅

元を取るには最低○回乗る必要がある!

今回購入した「東京フリーきっぷ」は、JR線のほか東京メトロや都営交通の2社1局にわたって使用することが可能です。都内の移動はほとんどがフリーエリアとなり優秀なきっぷです。

それでは、一体どのくらいで元を取ることはできるのでしょうか。

各路線の初乗り運賃(IC)

  • JR:146円
  • 東京メトロ:178円
  • 都営地下鉄:178円

都営交通系初乗り運賃(IC)

  • 日暮里・舎人ライナー:168円
  • 都電(東京さくらトラム):168円
  • 都営バス(一般系統):210円☆
  • 都営バス(学バス系統):178円☆
  • 都営バス(C・H01系統):189円☆
  • 都営バス(多摩地域):178円

※☆マーク付きは均一運賃

元を取るには…
最低でも5~6回以上利用すれば元が取れる!

こんな方は「東京フリーきっぷ」がおすすめ!

上記「元を取るには最低○回乗る必要がある!」で紹介しているものは、あくまで初乗り運賃を基にした極端な例です。「東京フリーきっぷ」を買う方は、普通であれば複数路線にわたって利用するので、その場合に元を取る方法は次の通りです。

  • 1日、都内で観光する・5か所以上(朝~夜、遅くとも昼前~夜)
  • 1日電車に乗っても平気(酔わない)
  • 事前に多くの目的地を決めている or 都内を1周する気持ちで色んな場所を巡りたい
渋谷スクランブル交差点
渋谷スクランブル交差点

丸1日東京の様々な場所に行くのであれば元を取ることが可能ですが、まとまった時間同じ場所で観光する場合や、ゆったりと観光したい場合は元を取ることが難しいです。時には、元を取るためにあえて最短ではないルートを選択する必要もあります。

「適当に電車に乗ってピンときた駅で降りてみる」「とにかく都内の色んな場所を巡りたい」「山手線1周したい・路線の端から端まで乗りたい」そういった人であればおすすめのきっぷと言えるでしょう。

目的地例通常運賃(IC)
東京→渋谷→原宿→新宿
→池袋→表参道→六本木→赤羽橋
→新橋→東京
→渋谷(メトロ):209円
→原宿(JR):146円
→新宿(JR):146円
→池袋(JR):167円
→表参道(メトロ):209円
→六本木(メトロ-都営):286円
→赤羽橋(都営):178円
→新橋(都営):178円
→銀座(メトロ):178円
→東京(JR):146円

合計:1,843円
東京→銀座→築地→押上
→浅草→新橋→恵比寿→池袋
→品川→東京
→銀座(メトロ):178円
→築地(メトロ):178円
→押上(メトロ):209円
→浅草(都営):178円
→新橋(都営):220円
→恵比寿(JR):208円
→池袋(JR):178円
→品川(JR):274円
→東京(JR):178円

合計:1,801円
東京→上野→秋葉原→飯田橋
→高田馬場→都庁前→六本木→芝公園
→大手町→東京
→上野(JR):167円
→秋葉原(JR):146円
→飯田橋(JR):146円
→高田馬場(メトロ):178円
→都庁前(JR-都営):324円
→六本木(都営):220円
→芝公園(メトロ-都営):286円
→大手町(都営):178円
→東京(メトロ):178円

合計:1,823円
東京→豊洲→両国→浅草
→上野広小路→池袋→東京
→豊洲(JR-メトロ):324円
→両国(メトロ-都営):286円
→浅草(JR-都営):324円
→上野広小路(メトロ):178円
→池袋(メトロ-JR):356円
→東京(メトロ):209円

合計:1,677円
東京駅
東京駅

まとめ

「東京フリーきっぷ」は、1日で多くの電車やバスを利用するという方であればおすすめですが、ゆったりと観光したり、あまり東京に慣れていない方にとっては、元を取るのは難しいと言えるでしょう。

事前に計画を立て、どのくらいの移動距離なのか、通常の運賃ではいくらかなのかを調べておくと、フリーきっぷの元を取ることが可能です。鉄道以外にも都営のバスが利用でき、移動の幅は相当広くなります。利用する場合は、乗車前に忘れずに購入し有効日を確認してくださいね!

複数の路線がある東京ならではの乗車券なので、1日で多くの電車やバスを利用する場合はとてもお得です。観光やお仕事にぜひ活用してみてください。

東京メトロの車内LCD
東京メトロの車内LCD

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