上山市の知られざる廃村「泥部」に足を踏み入れる

集落への入口 = 2022年7月6日 泥部
集落への入口 = 2022年7月6日 泥部
集落に残る家屋 = 2022年7月6日 泥部
集落に残る家屋 = 2022年7月6日 泥部
農機具の置き場所として利用されている家屋もあり、状態は良好だった = 2021年10月17日 泥部
農機具の置き場所として利用されている家屋もあり、状態は良好だった = 2021年10月17日 泥部
放置されたレコードプレーヤー? = 2021年10月17日 泥部
放置されたレコードプレーヤー? = 2021年10月17日 泥部
当時のものではなさそうな放置自転車 = 2021年10月17日 泥部
当時のものではなさそうな放置自転車 = 2021年10月17日 泥部
物置小屋 = 2022年7月6日 泥部
物置小屋 = 2022年7月6日 泥部
トタン屋根の家屋 = 2022年7月6日 泥部
トタン屋根の家屋 = 2022年7月6日 泥部
堀切に通じる林道、途中には砂防ダムもある = 2022年7月6日 泥部
堀切に通じる林道、途中には砂防ダムもある = 2022年7月6日 泥部
集落に通じる県道264号 = 2022年7月6日 泥部
集落に通じる県道264号 = 2022年7月6日 泥部
集落への入口 = 2022年7月6日 泥部
集落に残る家屋 = 2022年7月6日 泥部
農機具の置き場所として利用されている家屋もあり、状態は良好だった = 2021年10月17日 泥部
放置されたレコードプレーヤー? = 2021年10月17日 泥部
当時のものではなさそうな放置自転車 = 2021年10月17日 泥部
物置小屋 = 2022年7月6日 泥部
トタン屋根の家屋 = 2022年7月6日 泥部
堀切に通じる林道、途中には砂防ダムもある = 2022年7月6日 泥部
集落に通じる県道264号 = 2022年7月6日 泥部

10月も半ば。前々から気になっていた泥部地区へ。まだ午後1時だが、辺りは薄暗い。街灯などは存在しないため、暗くならないうちに集落を探索する。

泥部(どろぶ)とは

上山市の東部、市街地から10kmほど離れた山あいにある地区。県道264号泥部宮脇線の起点となっていて、2025年4月末時点で1世帯2人が暮らしている。

昔は冬季分校があり稲作が盛んな地区だったが、時代の流れとともに人口は減少、現在は管理者はいるものの住んでいる人はいない家屋が3軒ほど存在する。

集落に着くと、まずは「泥部の碑」が姿を現す。これは、離村記念碑である。当時の村民であろう、名前が刻まれている。泥部の碑は、当時のものとは思えないほど状態が良い。しっかりと管理されているようだ。碑に関しては、泥部の碑だけではなく、その他5つほどある。

「泥部の碑」と彫られているものが離村記念碑(1993年11月建之)。そのほかの碑は頌徳碑や道路記念碑、墓 = 2021年10月17日 泥部
「泥部の碑」と彫られているものが離村記念碑(1993年11月建之)。そのほかの碑は頌徳碑や道路記念碑、墓 = 2021年10月17日 泥部

廃村後、そのままの状態で家屋が残っている。集落はぐるっと一周できるように道路が整備されていて、今はないものの中央部の石垣の場所にも家屋があった。

集落の中を歩いていると、草に埋もれた消火栓を見つけた。泥部唯一の消火栓であり、当時は珍しいものであった。ここは山間部であり、消防車などが来るには厳しい。そのため、消火栓を設けたそうだ。

この集落では唯一の消火栓 = 2021年10月17日 泥部
この集落では唯一の消火栓 = 2021年10月17日 泥部

家屋の多くには、屋根の破風部分にくずし字(草書体)で「水」と描かれている。家紋だと思ってしまうが実は違うものである。

これは、昔は庶民に許されていなかった「懸魚」の代わりで、火災から建物を守る火伏せのまじないという意味が込められているそうだ。

破風に描かれた「水」という字 = 2021年10月17日 泥部
破風に描かれた「水」という字 = 2021年10月17日 泥部

集落の探索は終了。上山には、住んでいても知らない、忘れ去られてゆく場所があった。

ちなみに、泥部の集落北側から堀切という場所まで通じる道も存在しているが、未舗装路で相当荒れているため通り抜けは難しそうだ。

2022年7月に再度訪問し、写真を追加しました。