
2021/10/12
山形・上山市のパワースポット「狼石」 蔵王山の噴火により飛来した高さ3mの巨石
10月も半ば。前々から気になっていた泥部地区へ。まだ午後1時だが、辺りは薄暗い。街灯などは存在しないため、暗くならないうちに集落を探索する。
上山市の東部、市街地から10kmほど離れた山あいにある地区。県道264号泥部宮脇線の起点となっていて、2025年4月末時点で1世帯2人が暮らしている。
昔は冬季分校があり稲作が盛んな地区だったが、時代の流れとともに人口は減少、現在は管理者はいるものの住んでいる人はいない家屋が3軒ほど存在する。
集落に着くと、まずは「泥部の碑」が姿を現す。これは、離村記念碑である。当時の村民であろう、名前が刻まれている。泥部の碑は、当時のものとは思えないほど状態が良い。しっかりと管理されているようだ。碑に関しては、泥部の碑だけではなく、その他5つほどある。
廃村後、そのままの状態で家屋が残っている。集落はぐるっと一周できるように道路が整備されていて、今はないものの中央部の石垣の場所にも家屋があった。
集落の中を歩いていると、草に埋もれた消火栓を見つけた。泥部唯一の消火栓であり、当時は珍しいものであった。ここは山間部であり、消防車などが来るには厳しい。そのため、消火栓を設けたそうだ。
家屋の多くには、屋根の破風部分にくずし字(草書体)で「水」と描かれている。家紋だと思ってしまうが実は違うものである。
これは、昔は庶民に許されていなかった「懸魚」の代わりで、火災から建物を守る火伏せのまじないという意味が込められているそうだ。
集落の探索は終了。上山には、住んでいても知らない、忘れ去られてゆく場所があった。
ちなみに、泥部の集落北側から堀切という場所まで通じる道も存在しているが、未舗装路で相当荒れているため通り抜けは難しそうだ。
2022年7月に再度訪問し、写真を追加しました。