あれは… 生活を陰で支える建造物「砂防ダム」土石流災害を防ぐ

奥に見える三吉山の麓にある砂防ダム = 2022年11月15日 糸目沢3号砂防ダム
奥に見える三吉山の麓にある砂防ダム = 2022年11月15日 糸目沢3号砂防ダム

気になるあの場所。糸目観音堂のそばを通り過ぎ、山中へ入る。ひたすら坂を上り、何やら建造物が見えてきた。三吉山の麓、生活を支える砂防ダムとは。三吉山が紅葉に染まる頃、仙石(せんごく)の糸目という場所に訪れた。平地から80mほど高い所にある、コンクリートの壁と何やら中央部分には緑色のパイプ状の物が。

これは「糸目沢3号砂防ダム」と呼ぶ、いわゆる砂防ダム(砂防堰堤)である。砂防ダムとは、土石流による土砂災害被害の軽減や川底の過度な洗掘を防止するために設置されるダムの一種。糸目沢3号砂防ダムは三吉山の北側を流れる「糸目沢」上に設けられ、平常時の水量はほとんどない。「糸目沢都市対策砂防工事」の一環で平成9年3月に着工、平成11年9月に完成した、別名 糸目第3ダム。堤高は7.0m、堤頂長は8.5m、貯砂量は4.035㎥、山形県土木部(現在は県土整備部)の所管。

砂防ダム近くから見る市内 = 2022年11月15日 糸目沢3号砂防ダム
砂防ダム近くから見る市内 = 2022年11月15日 糸目沢3号砂防ダム

砂防ダムの中でも「鋼製スリット堰堤(透過型砂防堰堤)」に分類され、中央部にある緑色の鋼管で土石流や流木を防ぐ。透過型と呼ばれることから、普段は水や土砂を通し、大雨時などに土石流が発生した際に効果を発揮する。

透過型とは逆に不透過型も存在するが、普段から土砂が堆積し貯砂量が減るため、必要に応じてその土砂を都度取り除く必要がある。透過型と不透過型は、設置される場所に応じて使い分けられている。

砂防ダムの様子 = 2022年11月15日 糸目沢3号砂防ダム
砂防ダムの様子 = 2022年11月15日 糸目沢3号砂防ダム

糸目沢3号砂防ダムの上流は「土砂災害特別警戒区域」に、上流付近から下流付近及び糸目の集落は「土砂災害警戒区域」に指定されている。3号の下流にはもう1基の砂防ダムと遊砂地が設置され、3重で土石流を防いでいる。

決して、砂防ダムがあるからと言って油断してはならない。大雨時などは注意が必要だ。ちなみに、3号砂防ダムのそばからは三吉山の「射留尾根道(射留尾根コース)」に繋がるそうだ。

砂防ダムの説明板 = 2022年11月15日 糸目沢3号砂防ダム
砂防ダムの説明板 = 2022年11月15日 糸目沢3号砂防ダム
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