かみのやま温泉の源は?なぜ温泉がある?「源泉と配湯方式」を詳しく調べてみました

温泉、それはどこからどのように来ているのか知っていますか?
今日は、上山市「かみのやま温泉」の源である『源泉』と源泉から手元に届くまでの『配湯方法』を解説します。
なぜ上山市に温泉があるのか…その正体は。
名称 | 住所 |
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上山地区1号源泉 | 山形県上山市元城内5-5 |
上山地区2号源泉 | 山形県上山市新湯2-8 |
上山地区3号源泉 | 山形県上山市鶴脛町1丁目6-2 |
上山配湯所 | 山形県上山市元城内6-26 |
葉山地区1号源泉 | 山形県上山市葉山7-3 |
葉山地区2号源泉 | 山形県上山市河崎3丁目6-47 |
葉山配湯所 | 山形県上山市河崎3丁目6-47 |
なぜ上山市に温泉があるの?
上山市は東に蔵王山、西に白鷹山があり、いわゆる「盆地」となっています。この蔵王山や白鷹山から来る雨水や雪解け水が上山市の市街地周辺にゆっくりと集まってきます。これを「地下水循環」と呼びます。
集まってきた水は、約−100kmのプレート付近にあるマグマにより熱せられ、様々な断層を通過し地表付近へと移動してきます。

なぜ様々な成分が含まれているの?
かみのやま温泉は、南西から北東方向に一直線上に並ぶ「断層帯」から湧出しているものと考えられています。この断層帯は、花崗閃緑岩・凝灰角礫岩・安山岩・凝灰岩などから形成されています。
ここで1つ不思議なことがあります。かみのやま温泉の泉質は食塩の成分と似ている部分がありますが、それらの断層帯から溶け出したものではないのです。研究結果によると、太平洋プレートが日本列島の地下深くに潜り込む際に海底の底質(海水を含む泥など)を巻き込み、その底質が含まれているプレート付近のマグマから「NaCl(塩化ナトリウム)」成分が上昇して地下水と混ざっていると言われています。
かみのやま温泉は、地球規模の海水と天水の循環が一体となった、まさに地球からの賜物なのです。

温泉の色や味、効能は?
かみのやま温泉は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)と呼ばれるpH7.8の泉質であり、無色透明の無臭でわずかに塩味を有しています。
効能としては、切り傷、やけど、慢性皮膚炎、虚弱児、慢性婦人病、動脈硬化症、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節こわばり、打ち身、捻挫、慢性消化器疾患、痔疾、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進、乾燥肌、軽度な高コレステロール血症、ストレス解消などが挙げられます。
市内5ヵ所にある源泉とは
上山城周辺の旅館や共同浴場は「上山地区源泉」
上山地区1号源泉
名称 | 上山地区1号源泉(かみのやまちくいちごうげんせん) |
住所 | 山形県上山市元城内5-5 |
泉温 | 64.0℃ |
深度 | 350m |
揚湯量 | 400L/min |
揚湯方法 | 水中ポンプ |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) |
完成 | 昭和53年11月 |
上山地区2号源泉
名称 | 上山地区2号源泉(かみのやまちくにごうげんせん) |
住所 | 山形県上山市新湯2-8 |
泉温 | 69.0℃ |
深度 | 280m |
揚湯量 | 400L/min |
揚湯方法 | 水中ポンプ |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) |
完成 | 昭和53年11月 |
上山地区3号源泉
名称 | 上山地区3号源泉(かみのやまちくさんごうげんせん) |
住所 | 山形県上山市鶴脛町1丁目6-2 |
泉温 | 67.0℃ |
深度 | 402m |
揚湯量 | 400L/min |
揚湯方法 | 水中ポンプ |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) |
完成 | 平成22年3月 |
市役所西側の旅館や共同浴場は「葉山地区源泉」
葉山地区1号源泉
名称 | 葉山地区1号源泉(はやまちくいちごうげんせん) |
住所 | 山形県上山市葉山7-3 |
泉温 | 63.0℃ |
深度 | 237m |
揚湯量 | 400L/min |
揚湯方法 | 水中ポンプ |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) |
完成 | 昭和53年11月 |
葉山地区2号源泉
名称 | 葉山地区2号源泉(はやまちくにごうげんせん) |
住所 | 山形県上山市河崎3丁目6-47 |
泉温 | 69.0℃ |
深度 | 352m |
揚湯量 | 400L/min |
揚湯方法 | 水中ポンプ |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) |
完成 | 平成22年3月 |
手元に届くまでの道のり
上山地区源泉は「上山配湯所」・葉山地区源泉は「葉山配湯所」へ
それぞれの地区源泉は、送湯管を通じて上山地区源泉は「上山配湯所」へ、葉山地区源泉は「葉山配湯所」へ送られます。その後、「上山貯湯槽」及び「葉山貯湯槽」で貯湯及びそれぞれの源泉が混合され、「上山地区配湯管」及び「葉山地区配湯管」を通じて各施設へお湯が供給されます。
この配湯管はループ状になっているので、余分なお湯は「上山地区返り管」及び「葉山地区返り管」を通じてもう一度「貯湯槽」へ戻ってきます。これを「集中管理方式」と呼び、他にも複数の配湯方式がありますが、集中管理方式だとコストはかかるものの貴重な温泉資源を無駄なく使用することが可能となります。

上山配湯所
名称 | 上山配湯所(かみのやまはいとうじょ) |
住所 | 山形県上山市元城内6-26 |
葉山配湯所
名称 | 葉山配湯所(はやまはいとうじょ) |
住所 | 山形県上山市河崎3丁目6-47 |